MACDとは?
MACDは、投資家・トレーダーに人気のテクニカル指標の1つです。
トレンド系としてもオシレーター系としても使える便利なものです。
MACDとは、Moving Average Convergence Divergenceの略で移動平均が収束発散する意味を持っています。
まずは、MACDを構成する3種類のラインであるMACDライン・シグナルライン・0ラインを見てみましょう。
MACDライン
MACDラインとは、(任意の短期指数平滑移動平均線)-(任意の長期指数平滑移動平均線)
短期の移動平均線と長期の移動平均線を計算式にMACDラインは構成されています。「任意の」と説明しているのは、それぞれの投資スタンスにあった時間軸に合わせていただくということです。
MACDラインは、短期の移動平均線に長期の移動平均線が追随して動きます。たとえば、短期の値動きで急落した場合などは短期の移動平均線の値が大きくマイナスになるのでMACDラインも急落します。その逆で、緩やかな下降線を辿っていた値動きから急に大きく上昇した場合には、MACDラインも急激に上昇します。
- ゴールデンクロス、デッドクロスの反応が早い
- トレンド転換を示唆しやすい
MACDラインは、急激な値動きに反応しやすいことを覚えておいてください。
※指数平滑移動平均線は、単純移動平均線と似ていますが違うものです。
単純移動平均線より急激な値動きに反応するものです。
シグナルライン
シグナルラインとは、上記のMACDラインを単純な移動平均に直したものです。そのため、MACDラインよりも値動きに動かされず鈍い動きで推移します。
シグナルラインは、MACDラインよりも鈍い動きと覚えておいてください。
0ライン(ゼロライン)
0ライン(ゼロライン)とは、MACDラインやシグナルラインが0となる点です。
一見、何ともない線ですが、0ライン(ゼロライン)も売買シグナルに使えることは覚えておいてください。
MACDの使い方(トレンドフォロー)
MACDをトレンドフォロー(順張り)目線で使用した場合の使い方です。
売り目線で見たMACD
6月中に移動平均線を下回る株価推移をしていたものの、MACDはデッドクロスしていません。そのため、MACDがデッドクロスするまでは押し目買いが入っていました。
7月上旬になり株価が下落し始めたとき、5日移動平均線を下回り、5日移動平均線も25日移動平均線をデッドクロスしました。これと同時にMACDがデッドクロスをして以降、株価は5日移動平均線を上回ることなく上値の重い展開となっています。
8月に入って株価は失望売りを誘い急落。このとき、MACDラインは急激に下げ、シグナルラインとの乖離幅を広げました。このとき、シグナルラインもこれまでの緩やかな下落ではなく角度を鋭くしています。
また、MACDラインがシグナルラインをデッドクロスして以降、MACDラインがシグナルラインに近づいたところで追撃売りが入っていることが分かります。
買い目線でのMACD
8月初旬の急落から最後の売りを吐き出した後、MACDラインは横ばいに入っています。シグナルラインは下落していることから、MACDラインとシグナルラインは急速に乖離幅を狭めていきます。
8月下旬、MACDラインはシグナルラインをゴールデンクロスします。その後、数日間は下押しする場面もありますが押し目買いが入っています。
9月上旬、株価に赤丸をつけた場面では、5日移動平均線と25日移動平均線の直上に位置します。このとき、MACDラインとシグナルラインは両方とも上昇トレンドにあります。5日移動平均線、25日移動平均線ともにサポートとなり押し目買いのタイミングとなり直後、大きく株価は上昇しています。
MACDの使い方(0ライン・ゼロライン)
MACDの0ライン(ゼロライン)とは、長期的トレンドの転換点になりやすい地点です。
75日移動平均線などの長期の移動平均線に株価が近づいていたり、これらの移動平均線を株価が上抜いたり下向いたりするタイミングになりやすいです。
0ライン(ゼロライン)の使い方
- 0ライン(ゼロライン)近辺でトレンドが変わった場合、そのトレンドは長期化する。
- 0ライン(ゼロライン)近辺をMACDラインが近づくと反発(反落)する。
9月は0ライン(ゼロライン)に近づいたところで反落しています。
10月は0ライン(ゼロライン)をMACDライン、シグナルライン共に上回るようになり、株価は継続的に上昇トレンドを描いています。
MACDの使い方(ヒストグラム)
ヒストグラムとは、棒グラフで示されており、増加と減少によってMACDの勢いを判断することができるものです。
ヒストグラムのトレンドフォロー
画像は、Meta trader5のドル円(1分足チャート)です。0より上で推移していると増加と判断し、買いを示しています。0より下で推移していると減少と判断し、売りを示しています。
ヒストグラムの使い方(勢いの強さを推し量る)
画像は、ヒストグラムの棒グラフが急激に増加しているものと急激に減少しているものです。
ヒストグラム増加の初期段階でロングを保有していれば、相場上昇の多くを利益とすることができます。
また、ヒストグラム減少の初期段階でショートを保有していれば、高値でエントリーすることができ、下落場面での利益を得ることができます。
この方法で判断するときは、ダマシに合う確率が上がりますので、この点は注意して頂きたいです。MACDラインやシグナルライン、他のテクニカル指標との組み合わせとも判断して分析精度を上げることで対処してください。
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