「オシレーターを使いこなせばFXはすごくラクに稼げる!」FX本を検証する!
書籍評価総合点数
70点
書評
良いところ
- 現役のトレーダーの意見と実体験がある
- 「上抜いていたところから落ちてきたところ」といった表現で、「反落確認」への考え方を間違えないように丁寧で適切な表現がされている
- よく使われる(使いやすい)テクニカル分析指標だけを取り上げている
- 避けるべきトレードについて意見があるのは貴重
悪いところ
- 全体的に文字が大きいため、ページの割に事例が少なく感じる
- 発売時点での登場トレーダーの成績がやや微妙
- ブックカバー必須(タイトル的に投資投資しすぎていて無いとつらい)
紹介されているテクニカル指標
MACD
MACDについては、かなり記載が多かったです。
細かな記載というのは、また別の本で補いたいところです。
しかし、基本的考え方や他のテクニカル指標との組み合わせには問題ありません。
OsMA
OsMAは、MACDを簡素化したようなオシレーター系指標です。
順張り戦略を用いる際に大まかなトレンド、大まかに反転(反落)確認をするのには、問題ありません。
しかし、MACDを簡素化したものなので、MACDラインのように比較的瞬発力のある動きをするものではありません。
この点は注意しながら、ローソク足、ストキャスティクス、ボリンジャーバンドあたりと組み合わせてトレード精度を高めたいものです。
ボリンジャーバンド
本書のボリンジャーバンド版が用意されているためなのか、登場は少ないです。
しかし、バンドウォークの話も少しあります。
FXの場合は、株と違ってバンドウォークを積極的に使い順張り戦略を採用することは少ないようです。
他のテクニカル指標を使っていたものの、ボリンジャーバンドで後々バンドウォークしていたことに気付くことはありそうかなとは考えます。
RSI
RSIを好むトレーダーさんの紹介により日が当たっています。
相場の過熱感があるときに、RSIが70%以上や80%以上で張り付くような相場についても紹介されています。
しかし、相場に対する勘所としてRSIがその時に何を指し示しているのか考えるように促すトレーダーの方の意見など本質を突いている点は、価値を感じました。
ストキャスティクス
ストキャスティクスの紹介は、少なかったようです。
しかし、タイミングを図る指標を他の指標に加えることでより精度を増大させることができる点は、とても丁寧で現実的な意見を述べていると思います。
CCI
CCIについては、この本で唯一不満があります。
とてもタイミングが図りづらく、CCI単独で見たときも方向性もタイミングも理解しづらい点です。
これは、CCIが先物取引から由来しているというだけではなく、この指標が持つ難しさなのかも知れません。
ADX
この本の中で、CCIに次いで理解しづらいテクニカル指標だったかと思います。
しかし、理解できないというものではありません。
プラスDIやマイナスDIを使うと分かりづらいかもと思いました。
相場の勢い・強さについてのみADXを利用し、トレンド面は他の指標を利用した方が良い場合もありそうです。
一目均衡表
少ないですが、一目均衡表についても紹介されています。
雲を超えてくるところ、またそのダマシ、雲の薄さ厚さ、ローソク足が雲の上に位置するのか下に位置するのか、あたりが紹介されています。
一目均衡表は、もっと詳細な部分での分析がありますが大まかな見方としては十分かと思います。
ローソク足・移動平均線
ローソク足や移動平均線は、少しだけ紹介される程度です。
それは、損切りの判断基準にするとき、あるいは瞬発的なエントリーやイグジットで利益の最大化に寄与する部分や損失の最小化に寄与する部分で、ローソク足が有効的に使えるというところで紹介されています。
また、相場が急変動したときにローソク足で判断したら良いときもあることを紹介しています。
移動平均線については、ほとんど紹介されていませんが、トレンドを図ったり、レンジ相場でボリンジャーバンドを利用するときのように使用する方法を紹介しています。
内容紹介
目次
(第一章)なぜFXトレードで勝てないのか
- 売買タイミングのずれが負けにつながる
- 同じオシレーターでなぜ負けるのか
- 初心者はオシレーターをどのように見ればいいのか
- 順張りと逆張りどっちがいい?
- オシレーター系の基本を再入門
(第二章)稼いでいる人がオシレーター系で見ているポイント
- オシレーター系とトレンド系の使い分け
- ダイバージェンスは使わない
- 弱いトレンド下でのトレードには消極的
- オシレーターの弱点を利点に変える
(第三章)成功投資家たちが使うオシレーター系
- MACDの実戦での見方
- OsMAの実戦での見方
- ストキャスティクスの実戦での見方
- CCIの実戦での見方
- ADXの実戦での見方
- RSIの実戦での見方
(第四章)稼ぐ投資家のオシレーター手法
- MACDとシグナルのクロスがエントリータイミング
- トレンドに対して逆張りでエントリーを狙う
- MACDが0ラインを突き抜けたらチャンス
- イグジットもMACDとシグナルで違反
- 儲けるためのテクニック
小池満さんのトレード手法
- ローソク足の壱とCCIでエントリー判断
- CCIとσラインで利食いを判断
- CCIとローソク足の動きでトレード失敗を判断
- 儲けるためのテクニック
郡司直子さんのトレード手法
- ローソク足の反発とRSIでエントリー診断
- RSIの動きとローソク足のブレイクでイグジット判断
- ローソク足の雲ブレイクとRSIで売買を判断
- RSIの買われすぎ売られすぎのサインでイグジット
- 儲けるためのテクニック
せいやさんのトレード手法
- OsMAの0ライン抜けがエントリーチャンス
- OsMAを使ったふたつのイグジットタイミング
- ローソク足の動きでトレード失敗を判断
- 儲けるためのテクニック
楠木さんのトレード手法
- ADXのクロスがエントリーサイン
- ADXの値を見てエントリーサイン
- ADXの30ラインがポイント
- 儲けるためのテクニック
原康太さんのトレード手法
- トレンドラインの引き方をマスター
- 条件が重なったらエントリー
- 3つのイグジットサイン
- 儲けるためのテクニック
シチュエーション別パターン分析
- 米中貿易戦争の激化懸念による円高
- 米中関係悪化と米国の利下げ懸念による円高
- 米政策金利の据え置きによる円高
- 米国の対中関税引き上げ延期でドル高相場に
- 世界的な株高による円安相場
- ドラギECB総裁の発言によるユーロ売りで円高相場
- 米国株急落によって円が買われたことによる円高
- 英国の前倒しsんきょでの与党敗北による円高
- 北朝鮮リスク回避のための円高相場
本書で登場する現役トレーダー兼業トレーダー
もんばさん
- FX歴5年
- トレード期間(中期~長期)
- 実績(通算1800万円)
小池満さん
- FX歴4年
- トレード期間(中期~長期)
- 実績(通算1200万円)
郡司直子さん
- FX歴4年
- トレード期間(中期)
- 実績(通算800万円)
せいやさん
- FX歴9年
- トレード期間(長期)
- 実績(通算1300万円)
楠木さん
- FX歴4年
- トレード期間(スイング)
- 実績(通算1000万円)
原康太さん
- FX歴9年
- トレード期間(中期~長期)
- 実績(通算1100万円)