信用取引の配当落調整金を受け取る方法・支払う方法

信用取引の配当落調整金を受け取る方法・支払う方法 株主配当金

信用取引と株主優待と株主配当金と株主議決権の注意点

まず、信用取引では株主優待も株主配当金も株主議決権も得られません。
それは、証券会社から資金株を借りた状態で株を売買しているからです。
買い建ての場合は、証拠金を担保に資金を借りて株を買い建てています。
売り建ての場合は、株を借りて売って後で買い戻し、株を返却します。
買い建ては手元資金以上の株式保有となり、売り建ては他者の所有する株式を売却しています。

信用取引の「配当落調整金」

  • 信用買いは、配当落調整金を受け取れる
  • 信用売りは、配当落調整金を支払う
  • 買い建て時は配当所得ではなく譲渡所得と見なされ、譲渡損との損益通算が可能
  • 売り立て時は譲渡損と見なされ、譲渡益との損益通算が可能
  • 受け取る金額は制度信用・一般信用ともに配当金から所得税の源泉徴収相当額を差し引いた金額
  • 配当落調整金の受け渡し・支払いには、権利付最終日から数カ月かかる
  • 信用取引では、株主議決権はない

配当落調整金とは?

配当落ち日には1株あたり配当金の分、株価が下落します。
厳密に言えば、その傾向が強いです。
稀に配当金分以上に下落したり、地合いが良ければ横ばいで推移したり上昇することもあります。
信用買いには、その配当落ち日に下落する株価分を配当金の代わりに配当落調整金を受け取ります。
権利付最終売買日の大引けまで買い建て玉を保有し、翌日までポジションを持ち越した場合、配当落調整金が配当落ちによるマイナスを調整してくれます。
信用売りは、配当落ち日に下落する株価分を配当落調整金で支払います。
権利付最終売買日の大引けまで売り立て玉を保有し、翌日までポジションを持ち越した場合、配当落調整金が配当落ちによるプラスを調整します。

配当落調整金の受け渡し日

配当落調整金の受け渡しは、株主配当金と同じく権利付最終日から数カ月かかって行われます。
信用買いは受け取る立場なので問題が起こりづらいですが、信用売りで配当落調整金を支払う必要があるので口座に必要な金額の現金が入金されている必要があります。

配当落調整金の税金処理

配当落調整金の税金処理は、注意が必要です。
配当落調整金は、配当所得ではなく譲渡所得と見なされます。
配当所得ではないため、配当控除には含むことができません。
制度信用・一般信用ともに、配当金額から源泉徴収相当額を差し引いた金額を受け取ります。
源泉徴収相当額が差し引かれているとの記載どおり、実際の源泉徴収ではありません。
一般口座の場合は、特に税金処理は注意が必要です。

信用取引時の株主優待

信用買いの場合は、株主優待が受け取れません。
信用取引の場合は、証券会社が所有者となるためです。
また、同じ理由から株主名簿に記載されず、株主としての議決権もありません。

関連コラム

権利確定日と権利落ち日【初心者向け株式投資入門】
タイトルとURLをコピーしました